【OEM事例13】大阪O社様ご依頼のブレード・キャスケットOEM事例

【OEM事例13】大阪O社様ご依頼のブレード・キャスケットOEM事例

こんにちは、株式会社島田の寳田です。

今回は以前よりお付き合いのある、大阪のO社様の帽子OEM事例のご紹介です。依頼内容はブレードという素材を使ったオリジナルキャスケットの制作です。こちらでは、帽子のOEMのサンプル制作の工程を解説させていただきます。

 

――帽子に使用するブレードを選び、縫製の準備をする

まず、キャスケットに使用する素材のブレードを選んでいただき、縫製の準備にとりかかります。ブレードについての詳しいご説明は、別の記事「ブレードその1【ブレードとは】」がございます。読んでいただくと、理解しやすくなりますので、是非ご一読ください。ブレードの縫製にとりかかる前に、ブレードは回転する器具に巻き付けておきます。ブレードが絡まずに済みますし、縫製のスピードもクオリティも上がりますので、準備は入念に行います。

――要尺計算で材料がどのくらい必要か確認する

サンプル制作段階という事で、要尺という計算を行ってから縫製作業に入ります。要尺についての詳しいご説明は、上記の別の記事をご一読ください。簡単にご説明しますと、要尺計算は帽子のパーツ1つを作るのに、材料をどのくらい使用するかという計算です。要尺計算が必要な理由は、帽子の材料を依頼先に、どのぐらいの材料が必要か伝える義務があるからです。

この数値が間違っていた場合、材料が不足したり、あまったりして、様々なロスを生じさせてしまいます。適切な材料を仕入れるためには、要尺計算が重要なポイントになります。要尺計算をするためには、まず使用するブレードの長さをメジャーで計測し、計算していきます。

――帽子1個の作製所要時間を計算する

材料の必要量を計算した後、帽子を作製する所要時間も計測します。ストップウォッチを使用して、1個の帽子を作る時間を計測します。時間を計測すれば、1日に何個完成させられるか、受注数の納品日を計算し把握することができます。当社では可能な限りお客様のご希望に合わせて、制作スケジュールを立てていきます。

――縫製スタート。まずは帽子の天井中心から

ブレードをミシンで縫製してキャスケットを作製していきます。最初は、帽子の天井中心部分になる渦を作ることからスタートします。渦の中心を作り、それに沿うように円を描きながら縫います。この渦の処理が美しければ美しいほど、製品の精度が高くなります。渦の部分はブレードを均一に重ねて縫製しますが、平らに縫うことが難しく、ブレード縫製の中で最も難易度が高い工程と言えます。

少し縫い進めていくと、どんどん立体的になっていきます。少々見えにくいですが、丸い帽子の天井部分に変化していることが、お分かりでしょうか。この手順を繰り返しすることで、円を大きくして立体的な帽子の形にしていきます。

ある程度縫い進めて大きくなると、完成形のキャスケットの木型に当てながら角度や大きさを確認します。作業的には、木型の曲線に合うよう少しずつ角度をつけながら、頭の側面に沿うように筒状に縫製していきます。しかし、数値のような具体的な目安は無く、自分の手の感覚を頼りに縫製する必要があります。縫い幅を均等に維持して、正確に木型の曲線に合わせる作業は、高い技術と豊富な経験がある職人でなければできないものと言えるでしょう。

作業の途中で、材料の量や、かかった時間を紙に記録しておきます。その方法は、縫い始めのところにシールを貼っておき、どのくらい縫製したかを見てチェックします。

――帽子の天井から側面に繋がる部分を縫製する

帽子の天井から側面に繋がる部分の縫製をしている様子です。先程は緩い曲線だったのに対し、ここからはきつい角度をつけながら縫製する必要があります。この作業では、生地を抑えている左手の感覚を頼りに、均等に角度を付けていきます。どこから見ても同じ角度が付くように縫製をしなければ、木型ピッタリにはなりません。そのため、少しのズレも許されない高度で緻密な作業となります。

――帽子の側面を縫製する

帽子の側面を縫製するポイントですが、ブレード生地を立てるようにして抑えて縫製します。立てて作業するため、バランスがとりにくく安定させるのが難しい作業です。作業する準備が整ったら、ミシンの針とブレード生地の角度、この2点だけに集中し、丁寧に縫製します。

側面の縫製が終わる頃には、キャスケットの完成形が見えてきます。側面の縫いはじめの工程とは逆向きの角度を付けて、最後の部分までブレードを縫い進めます。

帽子の形になると、オーダー通りのキャスケットのサイズに縫製されているか、金属製のサイズゲージで確認します。持ち手がハサミのようになっており、ハサミを握って閉じると、サイズゲージの円が大きくなる仕組みです。ここでサイズが大きすぎれば縫い足すようになり、小さすぎれば縫製した部分を解いて、丁度いい大きさに調整していきます。

サイズの調整が終わると、サイズに合った木型に入れて最終確認します。ここで使用する木型は、特殊なパズルのようになっている木型です。普通の木型を使用すると、かぶり口が狭い帽子を、伸ばすことになってしまいます。そのため今回のキャスケットはかぶり口が狭い帽子なので、特殊な木型を使用して、帽子の形を崩さずに最終確認を行っています。

――キャスケットのツバを縫製する

頭の部分が完成すると、次にキャスケットのツバを作る作業です。今回はツバ部分も同じブレードを使用します。ツバを作る作業は、また最初から渦を作ると時間とブレード生地の無駄になるので、円型の厚紙を使います。ツバが取れる長さを計算し、厚紙の円の続きから頭の部分と同じ要領で縫製します。

ツバが取れる程度に縫製すると、ドーナツのような形になります。頭の部分を作った時とは異なり、渦を作る作業がなく、角度をつけず縫製するので、少しの時間で縫製することができます。

厚紙は繰り返し使用するので、境目の糸を解いて取り外します。そして、残ったドーナツ型の部分のみをキャスケットのツバとして使用します。

できあがったツバを半分に折り、ツバのパターンを当てて、切り取る部分を確認します。

ツバとパターンをクリップで動かない様に固定してから、ハサミでパターン通りにカットします。ブレードでできた段差があるため、ズレやすくなっているので、慎重に作業します。

パターン通りにカットした後は、ツバ先が不ぞろいなので、パイピングをしてきれいに処理していきます。パイピングする時も、同じブレードを使用して作成します。今回は曲線ではなく、直線状に5本程度縫い合わせ、太いテープ状にします。

太いテープ状にしたブレードは、ワイヤーを中に入れながらツバ先を挟むように縫製していきます。ワイヤーを入れることで、ツバ先の形を簡単に自由にアレンジできるようになります。

反対側も、ほつれないよう上から縫製しておきます。これでツバ部分が完成となります。

――頭とツバを縫い合わせる

頭の部分とツバを縫い合わせていきます。まず、両方の取り付ける中心部分に印を付けておき、印を合わせて縫い始めます。ブレード素材を使用した帽子は、少しでも曲がると仕上がりの見た目に大きな影響があるので、縫い代2mmで作業する高度で緻密な作業です。

――帽子の内側にスベリを付ける

ツバの後はスベリという汗取り部分を縫い合わせます。この作業も縫い代が、スベリの内側なので目視して作業することができず、手の感覚を頼りに行う高度な縫製作業になります。これで縫製の作業は終了となり、最後に仕上げの作業にとりかかります。

――仕上げ作業で、オリジナルキャスケットの完成です

頭部分の縫製に使用した木型を使用して、仕上げ作業を行います。目指す帽子のシルエットをしっかりと出すため、木型に入れた後、アイロンのスチームで蒸気と熱を加えて、成形します。

頭部分の仕上げ作業が終わると、ツバ部分を仕上げます。平らな部分にタオルを敷き、タオルの上からアイロンをかけていきます。シワや波打つ部分を伸ばしながら、きれいに処理します。

こちらがブレードを使用したオリジナルキャスケットの完成形です。きれいな曲線を描いた理想的なキャスケットですが、素材は幅約5mmのテープ状のブレードです。シンプルなテープ状の素材から、立体的で複雑な帽子を実現可能にするのは、当社の職人の高い技術があるからこそと言えるでしょう。日本製でクオリティの高い帽子や、女性らしい繊細な帽子を依頼されたい方は、是非当社までお気軽にご相談ください。また、小ロットの帽子を依頼されたい方も、お気軽にお問合せください。

 

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