【OEM事例6】D社様とサーモキャスケットの帽子OEMを行ったケース

【OEM事例6】D社様とサーモキャスケットの帽子OEMを行ったケース

株式会社島田の代表の寳田です。今回は東京に拠点を置くアパレルブランドD社様からご依頼いただいた、夏素材のキャスケットのOEM事例をご紹介します。

D社様は帽子以外にもオリジナルの洋服・靴・アクセサリーを提案するアパレルブランドだったため、帽子作りにも強いこだわりがあるとのことでした。

今回素材に使用するのはサーモニットです。通気性が良く夏でも快適にかぶることができる帽子をご希望でしたので、素材に麻が入ったサーモ素材をご提案しました。

ーー裁断と縫製:カットしながら切り口処理の技を駆使

まずサーモ糸のシートにパターンの型紙を置き、チャコペンでカットする位置の印を付けていきます。

 

次の工程では印を付けたところをカットしていきます。

こちらのミシンはロックミシンという種類のものです。通常ロックミシンは生地の裁断部に糸のほつれなどが出ないようにするため、糸でくるむように縫製し処理するという用途で使われます。しかし、このミシンはロックミシンの中でも特殊なもので、生地を裁断しながら切り口を処理することができるため作業効率を上げることができます。

次に先程裁断した生地の三角形斜辺部分を全て縫い合わせていきます。生地自体がかなり伸縮性を持っており、少しの力で縫い合わせの部分がずれてしまうので、力を入れ過ぎないように慎重に縫製していきます。

全ての斜辺部分を縫い合わせるとこのような形になります。
この段階ではニット帽に近いシルエットになっています。

この後さらに縫製した部分の布端をロックミシンで処理していきます。

布端を処理するとこのようになります。未処理の状態では糸があちこちから飛び出しているので、ほつれの原因だけではなく、かぶり心地に大きく影響してきます。

ーー形成作業:金型ではなくパーツに別れた木型を使用

次に成形の作業に入っていきます。今回はキャスケット用の木型を使用します。木型は一つの木の塊ではなく、いくつかのパーツに分かれているのですが、その秘密は後程ご説明したいと思います。ここからはこの木型に先程の縫製した生地をかぶせ、作業を進めて行きます。

ここでは帽子の裏面が表にくるように木型にはめ込み、縫い代の部分をアイロンで熱しながら倒していきます。かぶり心地に影響が出てくる部分ですので慎重に作業を行います。また、個体によって倒している方向が変わってはいけないので、一カ所ずつ決めた方向に向かって倒していきます。

ーーかぶり心地を考えた丁寧な作業

今度は裏表を反対にして木型にはめ込み、外側から縫い目のでこぼこが気にならないかチェックを行います。まだ凹凸が大きいところは生地を傷めないように木槌で軽く打ちながら小さく調整していきます。

ーーキャスケットの形に形成:サイズごとの木型で丁寧に調整

生地にキャスケットの形を付けていきます。まずサイズ元と呼ばれる帽子のかぶり口になる部分をタコ糸で縛ります。ここではあらかじめ指定されたサイズの木型を使用していますのでS/M/L等のサイズはこの木型で調整します。

ーーサイズ固定:匠の技で作業は絶妙な加減で

サイズ元を固定した後にアイロンのスチームと熱で生地にキャスケットの形を付けていきます。サーモ素材の熱を加える事で形状記憶する特性を利用し成形していきます。ただ、一度納品した際に熱と蒸気を多く加え、硬めに仕上がり過ぎていたため、かぶり心地やシルエットの点からD社様より返品・作成し直しの依頼が来てしまったことがあります。その点を十分注意し、硬くなりすぎずシルエットがしっかりと出るよう、絶妙な加減でこの作業は行われます。

木型が幾つものパーツでできているという事をお伝えしましたが、この写真がその秘密です。もし木型が1つの木の塊でできていたとしたら、成形した生地を引っ張りながら外していく必要があり、せっかく形を付けた生地がまた崩れてしまいます。木型が幾つものパーツであれば、こうしてバラバラに分解して使用することができるので、生地の形はそのままに木型だけを外すことができるのです。

木型を外した後にタコ糸で縛っていた部分にチャコペンで印を付けておきます。この印の5mm外側(最後の作業での縫い代を残す為)をミシンで一周縫っていきます。これは次の作業を効率よく進めるために必要です。

先程縫製した部分をもとに、ロックミシンで裁断と布端処理をしていきます。視認性の良い色の下糸を使用することで、作業が円滑に進みます。

ーー頭部分の完成:インチテープでサイズを固定し縮を防止

次に以前も登場した「インチテープ」を帽子のかぶり口に縫製していきます。このインチテープには、帽子のサイズをしっかり安定させるという役目があります。こういったニット素材の帽子だと何度も着用すると伸び、水に濡れると縮むことがあるので、そういった事象をなるべく防ぐ為に付けられます。

以上で頭部分はひとまず完成となります。

 

ーーツバ部分の作成:伸縮性を考慮して慎重に

ツバ部分の作成にかかります。

ツバの芯よりも少し小さめのサイズの同生地を準備します。
ツバの両端が来る部分2センチ程度縫製しておき、そこに芯を入れます。

芯を入れるとその芯の淵に沿って縫製していきます。生地の伸縮性があり、ツバ部分に生地の余りができ、波打ってしまわない様軽く引っ張りながら慎重に縫製します。

縫製を終えると、余分な部分をカットしていきます。

そのままでは生地が柔らかすぎるため、ツバ部分も頭部分と同様にスチームを当て形成していきます。

 

ーーまとめ作業:誤差に細心の注意を払いながら

この次に頭部分とツバ部分を縫製していく「まとめ」という作業に入っていくのですが、ズレを防ぐためにセンター部分にチャコペンで印を付けておきます。

印をつけたセンター部分をはじまりに縫製していきます。縫製しやすい生地の場合はここまで気を使わなくてもいいのですが、特にこういった柔らかい生地では細心の注意を払って作業しなければ誤差がでてしまいます。

ツバ部分が取り付けられると最後に「スベリ」という汗取りの部分を取り付けます。5mm残しておいた縫い代はこの為のものです。この作業でもズレが出ないように慎重に作業を行います。

ーーサーモキャスケットの完成:300個以上の受注を実現!

以上で完成となります。

先述した通り、修正点はあったものの完成した商品には納得していただき、現在で300個以上の発注をいただいております。
また、素材違い・型違いでも発注をいただけました。

 

弊社では、帽子OEMや帽子ODMの他、ブラント立ち上げのサポート、財布やバックなどの小物、Tシャツなどの衣類まで様々なものの作製も柔軟に対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

職人の技でオリジナル商品の作製をサポートいたします。

 

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