素材について-革素材編"栃木レザー その2"-

 
 
こんにちは、SHIMADAです。
 
前回は栃木レザーの脱毛の手順までお話させて頂きました。まだご覧になっていない方はまずそちらからどうぞ。
 
 
今回はその続きからのお話になります。それでは早速、革加工の醍醐味である鞣しの工程をご紹介させていただきます。
 
 
栃木レザーの加工工程

 
◆鞣し
 
皆さまは「ベジタブルタンニン鞣し」をご存じでしょうか。皮革製品に縁がなければ、耳にすることがあまりない言葉だと思います。これは、一言で表すと、植物から採取された成分を皮に染み込ませて強度と美しさを出す作業です。
 
鞣しには、使われる成分が数種類あります。他の代表的な鞣しはクロム鞣しと言われる製法で、化学薬品であるクロム化合物を用いて一度に大量の皮を鞣し、柔らかく伸縮性、柔軟性に優れているレザーに仕上げるというのが特徴です。
 
一方ベジタブルタンニン鞣しは、植物由来の物質であるタンニンを使用し、手間と時間をかけて鞣します。その結果、丈夫でハリ・コシがあり、使い込むほどに味がでてくるレザーに仕上がります。
 
もちろんその分コストは高くなりますが、栃木レザーでは植物性タンニン鞣しにこだわり、使用し続けています。
 
続けて、工程に入りたいと思います。鞣しには2種類あり、1つ目は、ドラムを回転させ遠心力を利用することで、少ない水の量ながらも一度に大量に加工することができるドラム製法です。
 
一方、栃木レザーの鞣しで用いられるのはピット製法という方法で、タンニンが入った槽に皮を約一か月漬け込み、浸透させていくという方法です。ドラム製法に比べて、皮にかかる負担が少ない分皮の芯までタンニンが浸透する為、堅く丈夫で粘りのあるレザーに仕上がります。
 
出典元:「栃木レザー」パンフレット
 
タンニン鞣しが行われる場所にはおよそ160ものタンニンの槽が並べられており、4つの濃度が違う槽に濃度をあげながら順番に漬け込んでいきます。
 
鞣しの進行具合は気温や湿度によって大きく左右されるので、職人が様子を見つつ、微調整しながら進めていかなければいけないのです。そんな繊細な作業が必要とされる鞣しですが、この作業を終えることで、生き物の「皮」から製品に使用される「革」へと生まれ変わるのです。
 
鞣しが終わった皮は、水に浸けっぱなしだった為脂分が抜けきっています。ここの段階で植物油と魚油をブレンドした油を与え、皮に柔軟性を持たせます。
 
柔らかくなったところで、セッターという機械を使い、引き伸ばしていきます。そして屋内で10日間乾燥させると「ヌメ革」が完成するのです。
 
ここまで手を加えてようやく皮が革になります。この状態に持ってくるまでで約2か月から2か月半。さらに染色と仕上げが行われますので栃木レザーはいかにこだわりを持って製造されているかがわかると思います。
 
 
◆染色
 
出典元:「栃木レザー」パンフレット
 
基本的に、革はどんな色に染めることも可能です。この作業にもドラムを用い、半日から1日かけて行われます。本来、革をしっかり染めるには丸1日かかっていたそうです。しかし、現在では朝、染色を開始すると夕方には染色が終わるようになっています。
 
鞣しとは異なり、染色の場合は短い時間で仕上がる方が革を傷めず、良い仕上がりになる為、こうした技術革新も栃木レザーの品質向上に繋がっているのです。
 
出典元:「栃木レザー」パンフレット
 
この写真は染色の最後の工程の写真です。ムラがある部分や、染が十分足りていない部分を人間の手で、スプレーを使い染色し直していきます。
 
様々な色の塗料を混ぜて修正を行っていくため、高い技術はもちろんの事、職人のセンスも必要とされ、誰にでもできる作業ではないのです。
 
 
◆仕上げ
 
出典元:「栃木レザー」パンフレット
 
最後の仕上げとして革のシワを伸ばす作業があります。ハンドセッターという約30kgある機械で革1枚1枚のシワを丁寧に伸ばしていきます。洋服のアイロンがけのようなイメージですね。
 
この作業には、革の品質を均一にしながら、表面を美しく仕上げるという目的があり、力と技のバランスが重視されます。この後別の建物に移動され、時間をかけてじっくりと自然乾燥させます。
 
 
出典元:「栃木レザー」パンフレット
 
いかがだったでしょうか。皮からレザーを作り出すのにはこんなに手間がかかっているのです。それは値段も高くなりますね。
 
その分栃木レザーは、使い込むほどに増していく深みや愛着を感じさせてくれる素晴らしいレザーです。そういった点に自分をはじめ根深いファンがたくさんいるのでしょう。
 
弊社でもご要望がございましたら、本体、細部どちらでも使用することができますのでお気軽にお尋ね下さい。お問い合わせお待ちしております。
 
また、栃木レザー様のオフィシャルサイトでも工程について詳しく解説が掲載されていますので宜しければどうぞ。
 
 
 
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