設備紹介-ミシンその1-

 
こんにちは、SHIMADAです。
 
帽子づくりにおいて最も大切な工程である縫製作業。縫製にも様々な種類の縫い方があり、様々な道具や機械を使って行われます。今回はその縫製に使用するミシンにフォーカスを当ててご紹介していきたいと思います。
 
 
縫製ミシンについて

 
ひとくくりにミシンといっても、それぞれの用途によって多様なミシンがあります。ただ「ミシン」と聞くだけだと、生地を縫い合わせるものという印象だと思いますので、まずは縫い合わせる事を得意とするミシンを紹介させて頂きます。
 
◆本縫いミシン
 
まずは帽子の縫製に使用する基本のミシン、「本縫いミシン」です。針の部分が上下し、おさえの下の台(テーブル)に付いている金具が生地を後ろに送るので縫い進めていけるという仕組みになっています。
 
こちらのミシンではおさえのアタッチメントの種類が豊富で様々な用途・箇所に用いられます。縫う箇所によって作業しやすい様におさえてくれるアタッチメントや、フェルト・綿・麻等の生地毎に付け替えるものもあります。
 
 
◆総合送りミシン
 
こちらは総合送りミシンです。本縫いミシンの針は上下運動のみだったのに対し、こちらの総合送りミシンの針は、上下作動に生地送り(前後作動)が加わります。
 
その為、生地が分厚く硬さのあるもの(レザーやバッグの底等)を縫製する事も可能になります。針も本縫いミシンに比べ太いゲージのものに対応しており、頑丈な生地でも針が折れにくく縫製することが出来ます。
 
 
◆自動ミシン
 
こちらは自動ミシンです。その名の通り、自動で縫製してくれます。
 
例えば、帽子の内側の汗取り部分に四角形のブランドネームのタグが付いていると思います。そのような寸法の決まった縫製をする際、ミシンに細かく設定するとその通りに縫ってくれます。
 
大量に縫製しないといけない際には時間短縮になるのでよく使われます。
 
 
◆腕ミシン
 
こちらは腕ミシンです。先ほどまでのミシンと比べて異なるのは、台部分です。先ほどまでは生地を置く部分は平らなテーブルだったのに対し、このミシンでは丸い筒状の部分のみがテーブルになります。
 
このミシンは帽子の縫製には必ず登場するミシンで、帽子内側のスベリ(汗取り部分)を付ける際や、ツバを取り付ける際に使用されます。
 
 
このスベリの取り付けは平らなミシンでも出来ないことはないのですが、筒状になっている帽子の縁に縫製を入れるので、平らに生地を伸ばしながら作業しなければいけません。
 
その為、生地を引っ張る力が加わるので縫い合わせる生地同士にピッチの誤差が出てしまい、生地が波打つような仕上がりになることがあります。また時間も多くかかってしまうので、こちらの腕ミシンを使用し、効率と作業の精度を上げているのです。
 
 
◆千鳥縫いミシン
 
千鳥縫いミシンです。こちらのミシンは見た目でいうとそこまで変わった仕様ではないのですが、上糸をセットするところが二つあります。
 
「千鳥縫い」という簡単に言えばジグザグに縫製する為のミシンです。ほつれやすい布をしっかりと留めたい時に使用される事が多く、スベリを作る際の縫製にも使われます。
 
 
このスベリの端部分に千鳥縫いが施されています。スベリは額に密着する汗取り部分であり、一番帽子をかぶる上で肌が触れるところなので、その分トラブルが多い箇所でもあります。
 
なるべくそういったトラブルを抑える為、しっかりとほつれないように縫製しておくことが重要なのです。
 
 
今回は、帽子縫製において多くの頻度で登場するミシンを中心にご紹介させて頂きました。単に縫うだけではなく箇所毎に、縫いやすかったり、強度を出したり、制度を高めたりする為にそれぞれ違うミシンを使用しています。
 
それに伴い、職人の技術も必要とされるので機械と人が両方揃ってSHIMADAの縫製は成り立っています。かなり細かい作業であっても可能な限りは対応させて頂きますので要望等ございましたら、何でもお申し付けください。弊社の熟練の技術を持った職人が対応致します。
 
次回もミシンについて記事を書かせていただきますが、少し変わったミシンたちをご紹介させて頂きます。1つの用途でしか使用しない珍しいものもありますので、楽しみにしておいてください。
 
 
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