帽体その1【帽体の種類と木型について】
こんにちは、SHIMADAです。
本日は”帽体”を使った帽子が出来るまでについてお話していきます。
“帽体”とは帽子の原型になるもので、天然草やフェルト、紙素材など様々な種類のものがあります。帽体はそのままでもなんとなく帽子の形をしていますが、まだ完成ではありません。帽体に水分や蒸気(アイロン)をあてて柔らかくし、木型に入れて思い通りの形状に成型していきます。
洋服等のアパレル業界では、パターンを引いて裁断した生地を縫製して形にしていくのが基本です。帽体からの帽子づくりは他のアパレルでは見られない独自の製作方法であり、まさに帽子づくりならではの特別な手法といえます。
それではまずはじめに、帽子の形を決めるために大切な役割を果たす「木型」についてご紹介していきたいと思います。
木型の種類
「木型」とは帽体を帽子の形に仕上げるための木で作られた型です。用途別の形状は大きく分けて3タイプあります。頭型、庇型、割り型です。
こちらは「頭型」です。“クラウン”とよばれる、帽子の頭にかぶる部分を成型します。キャップのような丸い形状のクラウン、カンカン帽のような角がある形状のクラウン、中折れハットのようなへこみのある形状のクラウンなど、つくりたい帽子のクラウンに合わせて頭型の形状を使い分けます。
例えば同じ”丸クラウン”に分類されるものでも、サイズや形状には様々な種類があります。この微妙な違いが帽子の印象を決める大変重要なポイントになっています。
こちらは「庇型」です。“ブリム”とよばれる、帽子のツバの部分を成型します。ツバの長さや角度も帽子の雰囲気を左右する大切な役割を果たしています。
頭型・庇型はそれぞれに種類があり、さらにこれらを組み合わせることで帽子の形に数多くのバリエーションを持たせることができます。
最後に「割り型」のご紹介です。こちらはクラウンの入り口がクラウンの中間やトップよりも狭い帽子を型入れする際に使用するもので、分解できるように作られています。主にベレー帽などは、このタイプの木型を使用して成型しています。
帽体の種類
また"帽体"自体もバリエーションが大変豊富です。それぞれの帽体を特徴づける主な要素が「素材」と「形状」です。
春・夏向けの素材として挙げられるのが天然草です。涼しげな見た目はもちろんのこと、通気性もよくかぶり心地も快適で、まさにいまの季節にぴったりな素材といえます。天然草の帽体は、草や木の皮を編み上げて作ります。天然草は種類が多く様々なものが流通していますが、パナマ・ラフィア・ケンマなどが代表的です。
植物の種類に加え編み方にもバリエーションがあります。主に網代編み・石目編みが多く、これ以外の編み方は特殊編みに分類されます。編み方によって全く雰囲気が変わるのも天然草帽体の特徴です。
秋・冬向けの素材としては、ウールやファーなど、フェルト帽体が挙げられます。織物より比較的変形が自由であり、また切り口がほつれずに切りっぱなしも可能なため大変帽子づくりに適した素材です。
帽体にすることで縫い目や重ね目がない帽子になるため、布帛の帽子とはまた違ったフェルト独特のシルエットを出すことができます。
次に帽体の形状ですが、作りたい帽子の形に合わせて使い分けています。ベル型・キャペリン型・ベレー型など、帽体自体の形状にもバリエーションを設けています。
同じ素材を使っても形状が変わると全く違った印象の帽子になります。この素材を活かすにはどんな形状の帽子にすればいいのか…そういった組み合わせを考えるのも、帽子づくりの醍醐味のひとつです。
SHIMADAでは様々な種類の帽体を取り揃えております
今回ご紹介した帽体はほんの一部です。この他にも対応できる素材・カラーがございます。理想に近い生地感・形状のサンプルやお写真から、こちらで素材をお探しすることも可能です。ご希望の素材や帽子の形がある場合は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
本日の記事では帽体の帽子づくりにかかせない木型や、帽体自体の種類や特徴についてお話させていただきました。次回、帽体の成型についてご紹介致します。
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